Category: ふるさと【東北・青森】 > 黒石市
近場の桜



前回取り上げた平川市平六の近くに「井戸沢」という集落があり、ここに稲荷神社が鎮座しています。
平六同様、ここにもまた次のような坂上田村麻呂に関する伝承が残っています。
【延暦年中、田村麻呂将軍東夷征伐の時、八甲田嶽の方へ進軍したが、道に迷い、沢を出ようとすればますます奥に入り、進退窮まった。そこで、山の神に道開きを祈願したところ、数時間で山を出ることができた。すなわち、一社を建立し、それに報い礼拝して、櫛ケ峰の方へ進撃す。沢深く井戸の如し、もって「井戸沢」と称す。いつの間にか村落ができて現在に至る。 -『竹館村史』より】
「井戸沢」という集落名の由来や、神社の縁起が簡潔に述べられていますが、それ以上のことは分かりません。

集落の入口付近に消防の屯所があり、その裏手に稲荷神社の鳥居が立っています。上の方は小高い丘になっていて、そこに境内があります。私が訪ねたときには、まだ雪が残っていました。

拝殿の前に、りっぱなイチョウの大木がそびえていて、根元には黄色い葉っぱやイチョウの実がたくさん落ちていました。冬の間、雪に埋もれていたのでしょう。

由緒などは詳しく分かりませんが、御祭神は一般的な倉稲魂命ではなく豊受姫神となっています。
倉稲魂命も豊受姫神もともに食物・穀物を司る神ということで同一視されることも多いとされていますが、市内の稲荷神社で豊受姫神を祭っているのは、ここ井戸沢の社だけのようです。

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☆つがるみち☆



南八甲田山麓に位置する平川市の東部地域は、高原野菜の一大生産地になっています。
標高500m~700mの高原にいくつかの集落があり、その冷涼な気候、豊かな水と土壌から育まれる大根、人参、小カブなどは「南八甲田高原野菜」として知られています。
主な生産地である大木平や善光寺平などの集落は、冬季は豪雪地帯であるため、農繁期を集落ですごし、冬場は麓の村に降りてくるといった農家の方も多いようです。
国道102号線を十和田湖方面に向かう途中に、平六(へいろく)という集落がありますが、ここにJAの野菜出荷センターがあって、そのすぐそばに大山祇神社が鎮座しています。
道路沿いに、白い鳥居が立っており、そこから奥へ参道が延びています。私が訪ねたときには、まだ鳥居の脇に雪が残っていました。

参道を歩いて行くと、まもなく川(用水路)に突き当たりますが、雪解け水がゴーゴーと音を立てて流れていました。
赤い橋の先には、大きな杉の木が何本も生えていて、その奥にぽつんと社殿が立っています。狛犬などはなく、建物がひとつだけという境内です。


この神社の由緒などについては、よく分かりませんが、この辺りの集落や神社には坂上田村麻呂に関する伝承が残されています。
平川市の『竹館村誌』にはこの神社や「平六」という集落名の由来について、
【・・往古、田村麻呂将軍夷狄を追撃の時、山根通りを越えんとせし一本の標石あり。右へ進めば陸中の方、左へ行く時は太平洋に出づべし。将軍暫し考え左折す。是に由りて平地を降らんとして、携えたる鉾石を境目に一神社を建立大山祇神社と称して進軍せりと。右故実により「平陸」と名づけしをいつの間にか「平六」になれりといふ。】と書かれています。

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☆つがるみち☆


青森市浪岡(旧浪岡町)の下石川は、五所川原市や板柳町と境を接する集落です。すぐ隣は、五所川原市高野で、ここには以前に訪れた廣峰神社などがあります。
熊野宮は、そんな下石川の集落から山沿いに進んだところに鎮座しています。

境内は、田んぼとりんご畑に挟まれた場所にあり、上の方が少しつぶれた赤い一の鳥居が立っていました。
そこから、二の鳥居、三の鳥居と参道が続いていますが、途中に小鳥居があり、そこには馬頭観音が祀られていました。


杉林に囲まれた静かな境内で、拝殿の前には一対の狛犬のみ。いたってシンプルなたたずまいです。草むらの地面を覆い隠すように、たくさんのふきのとうが顔を出していました。

由緒など詳細は分かりませんが、北津軽郡神社誌には、
【祭神 伊邪那岐命 伊邪那美命 本村は元石澤村と称せしが、享保十二年下石川と改称せり。神社勧請年月は不詳なれども大同年中の草創と伝へらる。明治六年四月高野廣峯神社へ合祀、仝八年復社。仝九年十二月村社に列せられ、仝四十二年八月廿七日指定神社に列格せらる。】とあります。

☆つがるみち☆
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熊野宮は、そんな下石川の集落から山沿いに進んだところに鎮座しています。

境内は、田んぼとりんご畑に挟まれた場所にあり、上の方が少しつぶれた赤い一の鳥居が立っていました。
そこから、二の鳥居、三の鳥居と参道が続いていますが、途中に小鳥居があり、そこには馬頭観音が祀られていました。


杉林に囲まれた静かな境内で、拝殿の前には一対の狛犬のみ。いたってシンプルなたたずまいです。草むらの地面を覆い隠すように、たくさんのふきのとうが顔を出していました。

由緒など詳細は分かりませんが、北津軽郡神社誌には、
【祭神 伊邪那岐命 伊邪那美命 本村は元石澤村と称せしが、享保十二年下石川と改称せり。神社勧請年月は不詳なれども大同年中の草創と伝へらる。明治六年四月高野廣峯神社へ合祀、仝八年復社。仝九年十二月村社に列せられ、仝四十二年八月廿七日指定神社に列格せらる。】とあります。



☆つがるみち☆
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猿賀公園の春

