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Category: ふるさと【東北・青森】 > 深浦町   Tags: つがるみち  名木めぐり  

「関の甕杉と古碑群」ーつがるみち52

 鰺ヶ沢町から国道101号線を深浦町に向かって進むと、間もなく道路際の高台に特徴のある杉の大木が見えてきます。
 遠くから見た姿が水甕を伏せた形に似ているので、「甕杉(かめすぎ)」と呼ばれるこの大杉は、古くから信仰の対象だったようで、その名前は昔、「神木(かみすぎ)」と呼ばれていたのが訛って「かめすぎ」になったともいわれています。この名木の側には、南北朝時代の「古碑(板碑・供養塔)」が数多く建てられており、「関の甕杉と古碑群」と呼ばれる名所のひとつになっています。

甕杉まで


 駐車場から少し坂道を歩いて行くと、長い石段が見えてきます。
参道?石段
ここが入口で、その先には赤い鳥居。入口の手前には
案内板とともに菅江真澄の碑
案内板と菅江真澄の碑
が立っていました。
 江戸時代の紀行家・菅江真澄は、寛政9年(1797年)にここを訪れ、その著『都介路廻遠地(つがろのおち)』で「かめ杉は山ぎはの小高き処にあり、その木のもとに貞和三年(1347)貞治六年(1367)石ぶみどもたてり。」と記しており、当時から大杉と古碑があるこの場所は「名所」だったことが分かります。
 鳥居をくぐった所に古碑と杉の木はあり、近くには、いくつかの祠とともに「金井安東古地之碑」
金井安東古地之碑
という安東氏の顕彰碑が立っていました。

古碑群


 顕彰碑の通り、この古碑群は安東氏ゆかりのもので、説明板には、【この古碑は61~160cmある大小不同の自然石を使用した供養碑でこの場所から42基出土されており、最も古い碑は暦応3年(1340)で新しいのは応永8年(1401)と判明しています。・・碑面には安倍(※安東)という姓が刻まれていることからその一族を供養するために建てられたと推測され、・・宗派的には"阿号"が判明されているので、一遍上人を開基宗祖とする時宗の信徒によったものと考えられます。】とあります。
 深浦は、安東氏の要港として十三湊とともに賑わい、鎌倉時代から南北朝時代にかけてその拠点だった所ですが、この大杉のある辺りには、「折曽(おりそ)の関」という山城(館)があったといわれています。
 1268年(文永5年)頃から、津軽で蝦夷の反乱が相次いだため、この地を治める蝦夷管領代官・安藤季長(あんどうすえなが)は、その鎮圧にあたっていましたが、蝦夷の抵抗は収まらず、鎌倉幕府は1325年(正中2年)に代官職を季長から同族の季久(すえひさ)に替えます。ところが、このことが安東氏の内紛を招く結果となり、津軽は大乱に巻き込まれることになります。「安東氏の乱(※津軽大乱とも)」と呼ばれるこの争いの調停のため、幕府(北条得宗家)は、たびたび追討使を派遣しますが、容易には沈静化できなかったされています。
 この大乱は、時代的には「元寇」から鎌倉幕府滅亡(1333年)までの出来事であり、鎮圧できなかった幕府の権力の弱体化を物語るものでもあるとされていますが、 この乱の当時、安藤季長が城を構えた所が、この「折曽の関」で、多くの供養塔は、その争乱を偲ばせる遺跡として重要視されている分けです。
 古碑は、祭壇を真ん中に
古碑祭壇
前列、後列に分かれて整然と立っていて、碑には梵字や願文、願主名、年紀など
古碑表面
が刻まれていました。

関の甕杉


 さて、「関の甕杉」は、高さ約30m、幹回り8.2m、樹齢は1000年といわれる大樹です。
 近づいてみると、その大きさ、どっしりとした姿形
甕杉①
に圧倒されますが、「荒々しい」という分けではなく、たくましさの中にも、どこか「可憐」さを感じさせる大杉です。
 この名木は、古の多くの争乱の歴史を見つめてきただけではなく、その整った容姿は
甕杉②
街道を旅する人々に「安らぎ」をも与えてきたのだと思います。

                            ☆つがるみち☆
 
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 しばらく記事を更新しないままに八月になってしまいました。。ゆっくりペースで神社・史跡めぐりを続けたいと思います。拙い記事ばかりですが、読んでいただければ幸いです。ごゆっくりどうぞ!
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