のんびりとじっくりと!

  ーおじさんのバーチャル旅行記!ー                      

 
Category: ふるさと【東北・青森】 > つがる市   Tags: つがるみち  

メロンロードその1「天皇山」ーつがるみち56

 津軽半島の日本海側に広がる砂丘地帯は「屏風山(びょうぶさん)」と呼ばれています。砂嵐を防ぐために植林された松林が、屏風が立っているように見えることからその名がつけられたものです。
 この防砂林
街道の松林
は、木で砂を防ぐわが国最初の事業で、【津軽藩4代藩主信政は新田開発のため1682(天和2)年、野呂理佐衛門(現木造町館岡)に植林を命じた。1700年代半ば、防砂林は86万本に達したが天明の飢きんの際、木を伐採して売ったりし、一時3万本までに減った。野呂武左衛門は1863(文久3)年から復興に努め1874(明治7)年までに180万本の林を完成させた。 ※Web東奥「あおもり110山」より】といわれています。
 この屏風山一帯をつがる市・森田から十三湖の手前まで、およそ22kmに渡って延びている道が「屏風山広域農道」で、周りには大小様々な沼
街道沿いの沼
も点在し、とても景色のいい所です。ここは、夏には道路沿いに屏風山の名産であるメロンやすいかの出店が連なることから「メロンロード」
メロンロード
と呼ばれていて、並行して走る県道12号線(十三道)とともに、多くの名所や史跡がある街道でもあります。

天皇山遠景


 その入口から
メロンロード入口
少し進むと「天皇山」という山が見えてきます。山といっても標高は56.7mで、「小高い丘」といった感じですが、ここにはあの壇ノ浦の戦いで二位の尼とともに、「波の下の都」に沈んだ安徳天皇が実は生き延びていて、山上に潜幸していたという伝説があるのです。
 天皇山への道の手前には「天皇山高山稲荷神社」
案内標識
という案内標識が立っていますが、この山の頂には「稲荷宮」があり、古くから農民達の守り神として崇められていたとされています。メロンロードの先にある「千本鳥居」で有名な「高山稲荷神社」
高山稲荷神社
の前身は、ここ天皇山の稲荷様だったともいわれています。
 

天皇山入口


 案内に従って少し進んで行くと赤い鳥居がありました。参道を登ると
登りの参道
間もなく社が見えてきます。いかにも「稲荷宮」という感じで、社の周りにはいくつかの祠
周りの祠群
とともに「きつね様の像」
おきつね様
も置かれていました。
 特に「安徳伝説」を思わせるものはないようです。明るく整えられた社の中は
稲荷宮社
地元のお年寄りの方々の「憩いの場」になっているとのことです。

天皇山稲荷宮


 さて、ここに残っている伝説とは次のようなものです。【・・源義経・範頼の軍によって窮地に追い込まれた平家の頭領・平宗盛は、壇ノ浦の戦いを前にして「今こそ平家を援けよ」と全国に檄を送った。当時、津軽・十三にあって「安東水軍」として名を馳せていた安東太郎・堯季(たかすえ)は、それに応えて息子の貞季(さだすえ)に命じて大船団を組織し、平家救出に向かわせた。しかし、能登の沖で大暴風に遭ったため、到着したときは既に戦いは終わっていた。安東船は平家の悲運を嘆き、あちこち島々を巡って平家の落人をさがし歩いた。】 ー こうして落人達を乗せた船は津軽の浜に上陸した分けですが、その中に幼い安徳天皇と家臣、女官なども含まれていたということです。別伝では、海中に投身したのは実は安徳天皇ではなく、安藤水軍の将・塩飽次郎左衛門の子・辰丸だったともされています。

 続いて、【・・やがて天皇一行は、小高い山の麓にたどり着き、さっそく「行在所」を造り、海や沼で漁を行い、土地を耕し、この地で生活を始めた。・・月の光が美しい夜にはささやかな「月見の宴」などを催したが、幼い天皇は「二位の尼はまだ来ないのか?この美しい月を見せてあげたい。都へ帰りたい」などと言うものだから、一同からすすり泣きの声がもれた。】という哀しい話へとつながっていきます。その後、安徳天皇の一行は船で中国大陸に渡り、山西省に住み、そこで亡くなったのだとか。。 
※【】は『青森の伝説(角川書店)』からの要約です。

安徳天皇漂海記


 このような「安徳天皇生存伝説」は、鳥取県や鹿児島県をはじめ各地にあって、その「御陵墓」とされるものも数多くあるようです。しかしながら西日本ならともかく、北のはずれ津軽の地にも伝承が残っていることは驚きです。 ー【・・大日本帝国陸地測量部(現国土地理院)が1912(大正元)年に測量した地図を調べてみた。天皇山としっかり記されていた。少なくとも明治時代からそう呼ばれ、“改名騒ぎ”もなく今に至っている。 ※Web東奥「あおもり110山」より】ー
 深浦から十三湖にかけては安東氏にかかわる伝承が数多く残っていますが、この「天皇山」の伝説もまた、そのひとつといえそうです。
 ところで私は、この天皇山を訪れた後、書店で宇月原晴明さんの『安徳天皇漂海記(中公文庫)』をみつけました。山本周五郎賞の受賞作ということですが、源実朝、安徳天皇にまつわる物語なようです。おくればせながら読んでみたいと思います。

                            ☆つがるみち☆
 
関連記事

記事を読んでいただき、ありがとうございます。よろしかったら、応援をお願いします!

                 日本史 ブログランキングへ    にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ にほんブログ村    


Comment

Trackback
10-2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

«   »

カテゴリー

openclose

グループ別記事

よろしくお願いします!
⇩に参加しています。応援してくださると励みになります!
にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ
にほんブログ村        

歴史 ブログランキングへ
Welcome
 記事を更新しないままに10月になってしまいました。。ゆっくりペースで神社・史跡めぐりを続けたいと思います。拙い記事ばかりですが、読んでいただければ幸いです。ごゆっくりどうぞ!
My Profile
Author:korekarada       ふるさと「東北・青森県」の史跡を巡り、感想などを綴っています。ときには、まだ見ぬ地方への憧れを「バーチャル旅行記」として、書いていきたいと思います。
My Friend
Thanks!
現在の閲覧者数:
My Contents
記事で紹介しているContentsをまとめています。ご覧ください!
コメント&トラックバック
Comments<>+-
Trackback <> + -
QRコード
QR