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Category: ふるさと【東北・青森】 > 平川市   Tags: つがるみち  

ぬけがけした姉「熊野神社」ーつがるみち75

 津軽の霊峰・岩木山は多くの伝説が伝わる山ですが、そのひとつに「安寿と厨子王」にまつわる話があります。
 森鴎外の『山椒太夫』にも描かれている有名なこの伝説は、【平安時代、磐城(岩城)判官正氏の子安寿姫と厨子王は、母と一緒に、筑紫に流罪となった父を訪ねる途中、人買いにだまされて丹後・由良湊の山椒太夫に売られ、酷使される。姉の安寿は身を犠牲にして弟を逃がすが、国分寺の僧侶に匿われた厨子王は、やがて国司に任じられて山椒太夫一族を滅ぼし、佐渡で盲目の鳥追いになっていた生き別れの母と再会を果たす。】という物語ですが、津軽では、安寿姫は津軽に逃れ、岩木山の「神」になり、
岩木山神社
祀られるようになったとされているのです。
 ー どうして「岩木山」なのか?それはよく分かっていませんが、太宰治は小説『津軽』の中でこの伝承に触れ、【安寿と厨子王の父、岩城判官正氏が『いわき』とも読めるところからごちゃまぜになったのだろう】と述べています。

長勝寺「蒼龍窟」


 この安寿姫に対する信仰はとても根強く、津軽人は、哀しい運命をたどった兄弟に深く同情していたとされ、弘前藩2代藩主・津軽信枚は百沢寺(現岩木山神社)の桜門の五百羅漢像の中に安寿、厨子王の木像を納めさせるほどでした。この木像は
安寿と厨子王の木像
現在、長勝寺の「蒼龍窟」に安置されています。

 また(丹後の方には申し訳ありませんが)、岩木山の神は兄弟の「敵」であった山椒大夫の地・丹後を忌み嫌っていたとされていて、「卵が嫌いな」小泊・権現岬
小泊・権現岬
の神様は卵をいっぱい積んできた「丹後船」を沈めてしまったという伝承も残っています。 
⇒拙記事「海満寺観音堂」
 さらには、津軽の海が大荒れし、風雨が強まる原因は丹後の船が浜に入って来るからだと信じられ、深浦の港
深浦港
などでは、港の役人が問屋を調べて回り、丹後の船や丹後の船頭を見つけると、すぐに国外に追放するという掟があったともされています。丹後船が退去すると不思議に天候は回復したので、これを「丹後日和」と呼んだのだとか。。

熊野神社参道


 さて、平川市・大坊地区に熊野神社という社がありますが、ここにもまた、安寿と厨子王にまつわる伝説が残っています。

 ここに伝わる伝承はもの哀しい話ではなくて、【丹後の国から逃れてきた姉弟は、岩木山を見て、どちらか早く岩木山に登った方がその神になることを約束した。大坊にある熊野神社まで来ると、獅子踊りが面白く催されていた。二人がこれに見とれているうちに、厨子王は旅の疲れで眠ってしまった。姉の安寿はその間に早くも登山して、岩木山の神になった。それから大坊の村人は(厨子王に同情して)、岩木山に参詣しないようになった。※『青森の伝説』角川書店】という、「安寿のぬけがけ」を物語るどこかユーモラスなものです。

熊野神社拝殿


 白い田んぼに囲まれた神社は、鳥居も白、拝殿も白。白一色という感じでした。⇒熊野神社境内
 この神社は、その縁起によると、大同2年(807年)、 坂上田村麻呂が蝦夷の首魁・大嶽丸を討ち、 この地に首を埋葬したとされていますが、鎌倉時代に当時の平賀郡一帯を支配していた曽我氏(津軽曽我氏)が建てた「熊野堂」が、そのはじまりといわれています。以後、「薬師権現」と称していましたが、 明治4年に「熊野宮」となったとのことです。

 伝説では、田村麻呂が大嶽丸を退治した際、大嶽丸が用いていた頬面2枚をお堂に安置したといわれていますが、頬面は雄雌一対の獅子頭のことです。 ー 安寿と厨子王がこの神社の境内で「獅子踊り」に見とれていたという話は、この獅子頭に由来するものなのかも知れません。

 平川市は、昔から獅子踊りがとても盛んなところで、各町内それぞれに「獅子踊り保存会」があり、猿賀神社の境内では、「県下獅子踊り大会」
県下獅子踊り大会 ※地元紙「東奥日報」より
も開催されています。

                               ☆つがるみち☆
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 しばらく記事を更新しないままに八月になってしまいました。。ゆっくりペースで神社・史跡めぐりを続けたいと思います。拙い記事ばかりですが、読んでいただければ幸いです。ごゆっくりどうぞ!
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