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Category: ふるさと【東北・青森】 > つがる市   Tags: つがるみち  名木めぐり  

古からの道しるべ「一本タモ」ーつがるみち84

 つがる市の稲垣町は、五所川原市の北西、岩木川下流に位置する町です。
 かつてこの地域一帯は大きな「潟」とも呼べる湿地帯でしたが、元和年間(1615~24年)の頃から開拓が始まり、藩政時代を通じて、木造町などとともに新田開発が行われた所です。
 この稲垣町・豊川地区を流れる岩木川の堤防沿いに「一本タモ」と呼ばれ、古くから地域の人々の信仰を集めきた大きな「ヤチダモ」の老木
「一本タモ」地図
があります。

一本タモ①


 私が訪れたのは、昨年の12月初旬のことでした。
 「一本タモ(ハングル文字?)」と書かれた石標が立っており、後ろの鳥居をくぐると正面にお堂が2つ
山の神・弘法大師
並んでいます。ひとつは「山の神」で、もうひとつは「弘法大師」を祀っている祠でした。この弘法大師、顔に白い化粧が施されています。
 堤防側には、百万遍・庚申塚・二十三夜塔
百万遍・庚申塚・二十三夜塔
の石碑がありました。この場所で「お講」が行われていたのでしょうか。周りのこれらの祠や石碑は、一本タモが昔から「神木」として崇められてきたことを示しているようです。

一本タモ②


「タモ(ヤチダモ)」は、モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹で、北海道と本州に分布しており、【家具や装飾材、日常器具の材料として利用されるほか、合板の材料にも用いられる。 また硬質で弾力性に富むため、野球のバットやテニスのラケットに使用される素材でもある。成長がよく、年輪幅が広いと重厚になり、成長が悪いと軽くなる。成長のよいものは運動用具材に、成長の悪いものは家具材として重宝される。※wikipediaより】というような特徴があるといわれています。あの王選手のホームランバットの素材としても使われていたのだとか。。
 また、その根は冠水しても生きているため、たびたび水没するような所でも生育するとされています。 ー 稲垣地区もかつては大変な湿地帯だった分けですが、「一本タモ」は、その中を生き抜いてきた「生命力の強い」樹木だった分けです。

一本タモ③


 さて、この「一本タモ」、樹高は約15m、幹回りが7.6m、樹齢はおよそ1,000年といわれており、タモの木としては日本最大のものとされています。ひと回りしながら眺めてみました。
◇大きな根元。巨象の足のように、地面をしっかり踏みしめ、掴んでいます。若い根も見られ、まだまだ現役。
  ⇒一本タモ画像その1(画像複数)
◇上に横に広がる幹と枝。年輪を感じさせる樹皮の色と深い皺。新しい生長も見られ、樹勢は衰えていないようです。
  ⇒一本タモ画像その2(画像複数)

 つがる市の指定文化財にもなっているこの老木は、様々な手当てが施され、
樹木保存の試み
現在も地元の人々から崇められている分けですが、古くからの伝承もいくつか残されています。

【昔、ある殿様が、このあたりで道に迷い、杖にしていたタモの木の枝を地上にさして目じるしにした。それに根がついて生長したのだという。※『青森の伝説』角川書店
【津軽藩二代目藩主信枚公が津軽平野の開拓をした時、広大な湿原を実地調査するための目印になった。以来、開拓民の崇拝の的となった。※「一本タモ」説明書きより
 また、現在のように道路が整備されていなかった時代には、「川沿いの細い道を一本タモを目当てにして歩いて村に帰った」という村人の話も残されています。 
ー この一本タモは、開発や人々の暮らしの中で、大切な「道しるべ」として感謝されてきたようです。

 帰り際にひとつのお堂を覗いて見たら、お化粧した地蔵様
化粧地蔵
がたくさん安置されていました。「化粧地蔵」
川倉賽の河原地蔵尊(金木町)
と呼ばれるこのお地蔵様は、幼くして亡くなった子どもの霊を慰めるために、木や石で地蔵を堀り、幼児の戒名を刻み、手作りの衣類を着せ、化粧を施して地蔵堂などに奉納しているものです。
 このような風習は西北津軽地方独特のものとされ、つがる市には多くの地蔵堂がある分けですが、とりわけ、ここ稲垣地区には2,000体以上の化粧地蔵が祀られているとのことです。

 不幸にして亡くなった子ども達の多くは、飢饉や病気、自然災害、等による犠牲者であるといわれていますが、かつては沼地がいっぱい広がっていたこの辺りは、子どもの不慮の事故等も多かったと思われます。

ー 川岸に立つこの「一本タモ」は、そんな子ども達の安全を見守り続けてきたのかも知れません。

                              ☆つがるみち☆
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 記事を更新しないままに10月になってしまいました。。ゆっくりペースで神社・史跡めぐりを続けたいと思います。拙い記事ばかりですが、読んでいただければ幸いです。ごゆっくりどうぞ!
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