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Category: ふるさと【東北・青森】 > 弘前市   Tags: つがるみち  

維新を見つめたお寺「薬王院 3」ーつがるみち89

 薬王院の山門をくぐって中へ進むと、大きな聖観音像
聖観音像
が立っていますが、その後ろが本堂です。
 明治3年、神仏分離令のため、いったん取り壊され、同10年に再建されたといわれる本堂ですが、梁や木鼻などの彫り物を見ると、往時の様子が伝わってきます。⇒本堂の彫り物(画像複数)
 本堂の中には、本尊の薬師如来
薬師如来
の隣りに不動明王
不動明王
も祀られていますが、面白かったのは、薬師如来の手前にチョコンと置かれていた「ミニ扇ねぷた」。
ミニ扇ねぷた
いかにも「弘前」という感じです。因みに、弘前は「ねぷた」、青森は「ねぶた」です。

薬王院本堂


 さて、このお寺が取り壊された時は、明治になったとはいえ、未だ幕末の動乱がさめやらぬ時代でした。
 当時の藩主は12代・津軽承昭(つがるつぐあきら)でしたが、弘前藩は戊辰戦争が始まると奥羽列藩同盟に加わります。しかしながら、藩論は揺れ動き、なかなか統一できず、徳川慶喜が謹慎した後、近衛家から「勤皇に決すべし」との親書を受けて列藩同盟から脱退します。
 その後は朝廷から「奥羽触頭」に任命され、箱館戦争が勃発すると青森は官軍の兵站基地となり、弘前藩もまた、明治2年5月には軍勢を松前に派遣して旧幕府軍と戦うことになる分けです。
 ー 薬王院は、その箱館戦争のときの関係者が逗留したお寺でもあるのです。

薬王院本堂内


 逗留したのは、松前藩13代藩主・松前徳広(まつまえのりひろ)とその家臣達で、明治元年(1868年)10月(旧暦)、榎本武揚らの旧幕府軍の蝦夷島侵攻により、松前城は
松前城 ※トリップアドバイザー提供
陥落。徳広一行は熊石村(八雲町)に敗走し、追い詰められますが、このとき徳広は、敗戦のショックと持病の肺結核のため、「生ける屍」のようであったといわれています。

 その後、11月19日、船を調達して関内の浜から厳寒の津軽海峡を渡り、
徳広一行
二昼夜かけて青森・平館村の津軽藩砲台近くに
青森・平館村
漂着し、弘前藩兵に助けられて上陸した分けですが、この航海の際にわずか5歳の姫君が船酔いで亡くなるなど、松前藩の家老は泣きながらその悲惨な状況を訴えたとされています。
 弘前藩の手厚い介護を受けた一行は、24日、平舘から弘前に入り、ここ薬王院に滞在することになった分けですが、藩主・徳広は心労がたたったのか、29日に急死してしまいます。亡骸は長勝寺に仮埋葬され、函館戦争終結後、松前に改葬されたといわれています。

 この松前徳広の墓所は、
松前徳広の墓所 ※地元紙『東奥日報』より
2012年に長勝寺から発見され、一般公開され、大きな話題になりました。 【長勝寺の徳広墓所は、報恩寺(ほうおんじ=弘前市)の津軽家墓所の発掘例と比較しても、見劣りしない。この時期の弘前藩は箱館戦争の影響もあって混乱していたはずだが、そのような困難な時期にあっても、不遇の他藩藩主を手厚く葬ったことがうかがえる。(千葉一大 青山学院大学非常勤講師)】といわれています。

本堂屋根


 この松前藩主従の他、函館戦争後、薬王院に滞在した一行がいます。それは、あの新撰組の浪士達です。
 土方歳三に率いられた新撰組は、大いに活躍した分けですが、土方が戦死した後に、新政府軍に投降します。
 捕虜となった新選組は、弘前藩に預けられ、ここ薬王院で謹慎の身となった分けです。そのメンバーは、大野右仲、森常吉、中島登、そしてあの巨漢・島田魁など96名ともいわれています。中島登は、新選組関係の研究資料である『中島登覚え書き』をここで執筆したのだとか。。

 その立場や逗留の時期は違いますが、敵どうしとはいえ、ともに箱館戦争を戦った人々がここ薬王院に滞在していた分けです。
 ー 薬王院は、そんな「北の明治維新」を見つめてきたお寺です。

                              ☆つがるみち☆
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 記事を更新しないままに10月になってしまいました。。ゆっくりペースで神社・史跡めぐりを続けたいと思います。拙い記事ばかりですが、読んでいただければ幸いです。ごゆっくりどうぞ!
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