のんびりとじっくりと!

  ーおじさんのバーチャル旅行記!ー                      

 
Category: ふるさと【東北・青森】 > 弘前市   Tags: つがるみち  鬼ッコめぐり  

鬼ッコと白山信仰「白山姫神社」ーつがるみち95

 神社の鳥居にちょこんと座っていたり、どっかと腰をかけていたり、必死になってその笠木を支えていたり・・と、「鳥居の鬼ッコ」は、他の地域では見られない津軽独特のものです。
 この鬼ッコを掲げている神社は津軽一円に30数ヶ所あるともいわれ、中には新しく鬼を設置する社もあるということですが、弘前市内にもいくつかあり、そのうちのひとつが白山姫神社です。

白山姫神社一の鳥居


 白山姫神社は弘前市・鳥井野、岩木川の川岸に鎮座しています。一の鳥居には金属でつくられた注連縄。
一の鳥居
以前、浪岡の廣峰神社
浪岡・廣峰神社
でも見かけましたが、これもまた、津軽以外ではなかなかお目にかかれないとのことです。やはり、この金属の注連縄は「雪の影響」を考えてつくられたものなのでしょうか。

 めあての鬼ッコは二の鳥居
二の鳥居
にありました。扁額の替わりにちょこんと座っているという感じで、一見厳めしそうに見えますが、歯にはお歯黒、そして津軽の多くの鬼がそうであるように、角は短く丸められていて、どこかユーモラスな感じがする赤い鬼
白山姫神社鬼ッコ
です。

 津軽地方で、鳥居に鬼ッコを掲げるようになったその由来はよく分かってはいませんが、最初に揚げたのは、弘前の撫牛子(ないじょうし)八幡宮とされていて、その説明板には、【「撫牛子の鬼コに角コ無エ-」とわらべ歌にも唄われてきた。人々は、鬼コを鳥居にあげて、悪霊・悪疫の防御退散を願い、さらに、鬼の神通力にあやかって強い子を育てたいと祈願した。※撫牛子八幡宮説明板より】とあります。
 いずれにしても、津軽人にとって、鬼は怖い存在であるとともに、その神通力をもって、人助けもしてくれる(農作など)存在として畏敬されている分けです。

白山姫神社拝殿


 境内を歩いてみました。
社号標です。
社号標
何回か修築がなされたと思われます。
◇拝殿の横に建っている末社です。
末社

◇こちらは御神馬。
神馬
地域の方々の心遣いでしょうか、四本の足に「青い足袋」を履いていました。
◇拝殿前の狛犬、
狛犬
そして灯籠。
灯籠
この灯籠、何となく人の形のようにも見えます。

 さて、この白山姫神社の創立は詳らかではありませんが、藩政時代には「善神宮」と称していたとされ、由緒書きには次のように記されています。
 【白山系の神社は祭神が白山比咩命であるが、のちに加賀の白山が修験道の霊場とされて、修験僧の入山が盛んになった頃より、菊理媛命・伊邪那岐命・伊邪那美命の三神を合祀、三神を阿弥陀如来・勢至菩薩・観世音菩薩の垂迹神として白山三所権現と称していた。当社の由緒や創立年は不明であり、明治初期の統廃合の際の記録にも見えてない点を考えると、おそらく鳥井野村成立の際、草分格の家の私社を共同の氏神としたものではないかと推察される。 ※境内の由緒書きより

 白山比咩命(しらやまひめのみこと)とは菊理媛命(ククリヒメのミコト)と同一神であり、白山信仰と関わりの深い神です。以前、私も菊理媛命を祀る青森入内・小金山神社内の白山宮や黒石市の白山姫神社、弘前市・相馬の白山堂などを訪ねてきましたが、あの長慶天皇御陵墓参考地がある上皇宮も以前は「竜田宮」と呼ばれ、白山信仰の社だったようです。  ⇒訪れた白山信仰の社
左上:黒石市白山姫神社 右上:青森市白山宮 左下:弘前市白山堂 右下:弘前市上皇宮


白山姫神社本殿


 菊理媛命は、『日本書紀』の一書に一度だけ出てくる神で、【伊弉冉尊(いざなみ)に逢いに黄泉を訪問した伊奘諾尊(いざなぎ)は、その変わり果てた姿を見て逃げ出したが黄泉比良坂で追いつかれ、口論になった。そこで菊理媛神が何かを言うと、伊奘諾尊はそれを褒め、帰って行った、とある。菊理媛神が何を言ったかは書かれておらず、また、出自なども書かれていない。この説話から、菊理媛神は伊奘諾尊と伊弉冉尊を仲直りさせたとして、縁結びの神とされている。また、死者(伊弉冉尊)と生者(伊奘諾尊)の間を取り持ったことからシャーマン(巫女)の女神ではないかとも言われている。 ※wikipediaより】とされています。
 この女神が、白山の山岳信仰や修験道と結びつき、白山大権現、白山妙理権現と称され、多くの白山系の神社の祭神となっている分けです。

 白山は古来、富士山や立山と並び称される霊山ですが、その開山及び白山信仰の広がりは、奈良時代の修験僧・泰澄(たいちょう)によってなされたといわれています。即ち、【泰澄は奈良時代に登拝して、白山では白山妙理権現(本地仏:十一面観音)を山頂で、北の峰で大己貴神(本地仏:阿弥陀如来)、南の峰で大山祗神(本地仏:聖観音)を感得し、ここに白山三所権現信仰が出来上がるのである。※小館衷三『岩木山信仰史』北方新社】という分けです。

 少し難しくて、私もよく理解していないのですが、この「白山三所権現」の信仰が岩木山の山岳信仰と結びつき、やがて津軽の地に根づいていったと思われます。
 ー 岩木山の三つの峰(鳥海山、岩木山、厳鬼山)は三所権現にふさわしい信仰の対象となっていた分けです。

 鳥居の鬼ッコといい、白山信仰といい、ここ白山姫神社は、そんな信仰の歴史を伝えている社でした。

                              ☆つがるみち☆                             
関連記事

記事を読んでいただき、ありがとうございます。よろしかったら、応援をお願いします!

                 日本史 ブログランキングへ    にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ にほんブログ村    


Comment
 
おはようございます。

金属製の注連縄、はっきりと覚えていないのですが、都内でも一度見た記憶があります。珍しいなぁと思った物ですが、こちらの形とは違って、角ばったものだったように記憶しています。

Trackback
10-2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

«   »

カテゴリー

openclose

グループ別記事

よろしくお願いします!
⇩に参加しています。応援してくださると励みになります!
にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ
にほんブログ村        

歴史 ブログランキングへ
Welcome
 記事を更新しないままに10月になってしまいました。。ゆっくりペースで神社・史跡めぐりを続けたいと思います。拙い記事ばかりですが、読んでいただければ幸いです。ごゆっくりどうぞ!
My Profile
Author:korekarada       ふるさと「東北・青森県」の史跡を巡り、感想などを綴っています。ときには、まだ見ぬ地方への憧れを「バーチャル旅行記」として、書いていきたいと思います。
My Friend
Thanks!
現在の閲覧者数:
My Contents
記事で紹介しているContentsをまとめています。ご覧ください!
コメント&トラックバック
Comments<>+-
Trackback <> + -
QRコード
QR