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Category: ふるさと【東北・青森】 > 青森市   Tags: つがるみち  

津軽坂の牧「鶴ヶ坂保食神社」-つがるみち166

 青森市に鶴ヶ坂という地区があります。奥羽本線沿いに開けた町ですが、この地域の山手の「戸建沢」というところに、【昔、藤原一門の流れを汲む炭焼藤太という若者が住んでいたが、ある日、京からはるばる津軽へとやってきた近衛家の姫君と出会い、夫婦となり、二人は長者となった。】という、いわゆる炭焼長者伝説が残されています。
 「鶴ヶ坂」という地名は、実はこの炭焼藤太の伝説からきていて、【世をしのんで隠れ住んでいた藤太が、傷ついたツルが湯浴みをして、やがて治って飛び去ったのを見て湯を発見した。それから「鶴の湯」と呼び、土地の名前も鶴ヶ坂というようになった。※『青森の伝説』】といわれています。
 この話が物語っているように、鶴ヶ坂地区は、かつては「鶴ヶ坂温泉郷」と呼ばれていた古くからの湯治場でした。

線路沿いの参道


 この鶴ヶ坂の駅の近くに保食(うけもち)神社という社が鎮座しています。
 線路のそばにある神社ということもあって、そこへ行くには線路を渡らなければなりませんでした。このような参道は初めてです。注意書きを見ながら、おそるおそる渡りました。豪華な注連縄が張られた鳥居をくぐると、小高い丘の上に境内があります。ここからは、梵珠の山並みや鶴ヶ坂の町並みを望むことができました。

 鶴ヶ坂は、藩政時代に「津軽五牧」と呼ばれた津軽藩の牧場のひとつだった所です。
「津軽五牧」とは、ここ鶴ヶ坂の他に、岩木山麓の「枯木平」、十和田湖周辺の「滝ノ沢」、小牧野遺跡がある「入内」(※小牧野遺跡一帯は、江戸時代には放牧地であったことが分かっています)、そして八甲田山への入り口にあたる「雲谷」に置かれていた牧場を指します。  ⇒津軽五牧
津軽五牧


 五牧のひとつ、雲谷(もや)については、【寛永8年(1631)、弘前藩の命を受けた川越源右衛門を牧頭とし、献上馬・進上馬などの名馬養育のため開かせたと牧場跡の石碑に記されています。この石碑から十和田湖方面へ進むと萱野高原
萱野高原
の茶屋が見えてきます。ここのお茶は飲むと長生きするといわれており、川越源右衛門が雲谷の牧場で働かせている牧夫の健康維持のため、畑で採れた雑穀と山で採れたきのこ等を配合し、焙じて飲ませたのが起源とされています。※HP「青森歴史街道探訪」より】と紹介されていますが、津軽領産の馬は鷹とともに藩祖・津軽為信の時代から、関白をはじめ、有力諸大名への献上品として珍重されていたとされており、優良馬を産出していた「津軽五牧」は、津軽藩の外交において重要な役割を果たしていたとのことです。

◇保食神社①

 
社号標
一の鳥居
二の鳥居
境内から
境内



由緒書き


 さて、鶴ヶ坂の牧場は「津軽坂の牧」と呼ばれていましたが(※「つるがさか」と「つがるざか」・・まぎらわしいですが、「鶴ヶ坂」は「津軽坂」が転化した地名だともされているようです)、境内の由緒書き等によると、【保食(うけもち)神社は、弘前藩が良馬産出のため開いた牧場「津軽五牧」の一つ「津軽坂の牧場」があった場所です。寛永15年(1638)、弘前藩3代藩主・津軽信義は家臣に命じ、南部藩領倉内村から牧司・倉内図書を招き津軽坂に牧場を造らせ、牧頭としてその経営にあたらせました。その際、村に馬頭観音を祀った惣染堂(そうぜんどう)を建立し、馬の守護神としたのが始まりとされ、その後、惣染宮、保食神社へと名前を変え、現在に至っています。】と説明されています。

 
 牧場の規模は東西二里、南北三里、下付された馬の数は牝馬15頭、牡馬1頭だったといわれていて、「津軽信義に良馬1頭を献上したことから、絵や書が得意であった信義の御染書が奉納され、御神体として祀られるようになった。」とのことです。

 現在では、国道や鉄道が走り、往時の面影は見られませんが、高台に鎮座するこの保食神社は、かつての様子を伝えているように思います。
 牧場に由来する神社ということで、拝殿の前には狛犬とともに神馬が奉納されていましたが、そのがっしりとした姿形は、駿馬というよりも、農耕を支える「働き者」という感じがしました。

◇保食神社②

 
観音像他
拝殿①
拝殿②
本殿
神馬


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Comment
 
こんばんは。つねまると申します。
神馬さん、どっしりかわいいですね。確かに、働き者の姿ですねー。
昔の実物大のお馬を初めて見たとき、ようやく戦国時代の戦の姿を想像出来るようになりました。サラブレッドではなかったんですね。

津軽は通ったことしかなくて、知らないことばかり。地名も読めません。とても楽しく拝見しております。ありがとうございます。

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