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Category: ふるさと【東北・青森】 > 黒石市   Tags: つがるみち  

稲荷神社と延命地蔵尊ーつがるみち239


稲荷神社と延命地蔵尊


 黒石市に目内沢という集落があります。
「目内澤は、天保年代(1644年)黒石~目内澤~常盤、黒石~目内澤~本郷の交通の要衝であるため、往来も激しく・・※延命地蔵尊由緒書き」とあるように、藩政時代から黒石と青森方面を結ぶ要の村でした。
 現在は「上目内沢」と「下目内沢」とに分かれていますが、その両方に稲荷神社が鎮座しています。今回は上目内沢の稲荷神社を訪ねました。

稲荷神社


 見渡す限りの雪の原 - といった感じですが、道路沿いに大きな社号標と赤い鳥居が立っています。
 境内も雪に埋もれ、白一色でしたが、鳥居から拝殿へと続く参道はきれいに除雪されていました。
 庚申塔でしょうか、不明の石碑が3基ほど。雪に埋もれているものもあるのかも知れません。拝殿の前には大きな狛犬が雪帽子をかぶっていました。

 この稲荷神社は、
【御祭神:倉稲魂命  貞享元年 (一六八四) 十一月、 村中にて建立したと伝えられているが、 そもそも古来より僅かの宮地があった所と言われている。 明治四年神社改正に付き、 同六年五月十日中郷村飛内の村社稲荷神社へ合祀したが、 その後、 同八年四月復社願いを申請の上、 拝殿並びに大鳥居を建立し、 同月十七日に復社する。 ※青森県神社庁HP】と紹介されています。以前から「宮地」があったということですが、古くから村落の崇敬を集めていた祠があったのかも知れません。

 拝殿の奉納額には、「平成3年9月28日の台風19号により樹齢200年以上の杉の大木がなぎ倒され、本殿・拝殿・鳥居等も飛ばされるという甚大な被害を被りました。氏子一同の力強い御協力により、総工事費430万円、5年計画で新築完成」とありました。

◇稲荷神社

 
境内
石碑
狛犬
拝殿
本殿



聖観音と延命地蔵尊


 この稲荷神社の手前に、大きな聖観音像が立っており、ひとつのお堂があります。「延命地蔵尊」と呼ばれるお堂です。
 観音様の後ろに、その由緒を記した石碑が立っていますが、それには、
【寛政6年(1794年)に建立した地蔵尊は、天明3年(1783年)とあくる天明4年津軽郡中一円は元禄大飢饉以来の飢渇に襲われ、無残・地獄絵図の天明大恐荒であった。この地も、手前の坂道を登れずに倒れて逝く姿を目のあたりにして、天明の餓死者の供養と人々の助命を願い「延命地蔵尊」として、有志一同が建立したのであります。・・・朝な夕な地蔵尊にひたすら家族の延命を願いまた豊作を願い、信心すれば大願成就が成る風評が津軽地方にあったのであります。】と、その建立の主旨や地元の信仰の深さについて記されています。

由緒石碑


 由緒書きには続けて、
【また、日露戦争(1904年)に、お上から縄を掛けられたということであります。陛下のご命により国中から体格の優れた青年が続々と召集され、また、戦争が悪化するにつれて多数の戦死者が出たものであります。国家の義務とはいえ、親や子、妻を残して出征した家族となってみれば、別段の想いであったことでしょう。これだけは他人の力でならぬこと、いずれは神、仏にすがって見るがよし、そこにきて、この地蔵様を信心すれば兵隊に召集されず。また、出征しても戦死しない、という噂が伝わり、兵隊を持つ家族は我も我もと駆け込み村はずれの地蔵の周りはいつも信者で黒山の人であったという。そのことが、お上の耳に達し、「これは由々しい国事犯が目内澤に出来たものだ」「徴兵回避を宣伝する不届きな奴め」と、巡査を派遣して地蔵様に荒縄を掛けたのであります。】と書かれていました。

 日露戦争と青森県といえば、大戦前夜(1902年)におこった八甲田雪中行軍事件が有名ですが、国家の存亡をかけたこの戦争の記念碑や慰霊碑は、多くの神社に立てられています。ここ目内沢の地でも、兵隊にとられていく大事な家族の安全を願う切実な思いがあったのでしょう。「君死にたまふことなかれ」 - そんな思いでお地蔵様を拝んでいたのだと思います。

「お上から縄を掛けられた」ということから、この地蔵尊は「縄掛け地蔵尊」とも呼ばれているとのことです。
 いわゆる「縛地蔵(しばりじぞう)は、【強請呪術(じゅじゅつ)による祈願法の一つ。地蔵などを縄で縛り上げ、願い事をかなえてくだされば、縄をほどいてあげますというもの。※kotobank】で、祈願者が厄除け、家内安全、病気平癒などを願った風習ですが、あるいは、ここ目内沢の村人も、お地蔵様に縄をかけて徴兵されていく身内の無事を祈ったのかも知れません。声高に「反戦」を叫ぶことのできない村人の心情が反映されたお地蔵様といえるでしょうか。

 この延命地蔵尊もまた、
【平成3年9月28日(1991年)の台風19号がこの地方を痛撃し、最大風速62メートルを記録したほどの烈風に遭い、高台にある地蔵尊建物は崩壊し、地蔵尊はなぎ倒され、甚大な被害を被った】とのことですが、現在は、地元の人々の手により再建され、【孫の進学のための学業成就、家内安全、無病息災、五穀豊穣などのため、お参りする人々が絶えない】とのことです。

◇延命地蔵尊

 
延命地蔵尊①
延命地蔵尊②
延命地蔵尊③
地蔵堂①
地蔵堂②


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 しばらく記事を更新しないままに八月になってしまいました。。ゆっくりペースで神社・史跡めぐりを続けたいと思います。拙い記事ばかりですが、読んでいただければ幸いです。ごゆっくりどうぞ!
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