瀬辺地天満宮ーつがるみち396

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 蓬田村役場がある阿弥陀川を過ぎ、外ヶ浜町方面へ進んで行くと瀬辺地(せへじ)という集落に出ます。
 右手に海を見ながら走って行くと、左側に小高い丘が見えてきますが、ここに天満宮が鎮座しています。
 同じ敷地内に観音堂も立っていますが、一の鳥居から続く参道をまっすぐ進んで行くと天満宮の社殿があり、鳥居をくぐり、左側の坂道を上った所が観音堂です。

 天満宮の参道の両側は背の高い杉並木が続いていますが、所々にベンチなどもあり、一帯は地区の農村公園にもなっているようです。
 ゆったりとした上り坂が続きますが、丘の頂上の一段と高い場所まで石段が延びていて、両脇に狛犬が置かれ、そこに拝殿と本殿がありました。拝殿には「ここは海抜25m」という案内札が下げられています。
 境内からは海岸沿いを走る松前街道や瀬辺地の漁港なども望むことができ、なかなかよい眺めでした。

◇天満宮




<img src="https://blog-imgs-96-origin.fc2.com/m/a/d/madamada888/seheziten6.jpg" style="border:solid 1px #4020D0"


 一方の観音堂の方は、天満宮の参道の左側の丘にあるのですが、こちら側には海辺の丘らしく松の大木が何本か生えています。
 社の石段の前に小さな赤い鳥居が立っており、その境内には記念碑や庚申塔が立っていました。
 本尊は馬頭観音ですが、地域の厚い信仰を集めているようで、祭壇の前にはたくさんの供物が捧げられているほか、豪華な舟絵馬も掲げられていました。こちらの境内からは、津軽半島の背骨である中山山脈を望むことができます。
 
 天満宮と観音堂の由緒については、
【御祭神:菅原道真  瀬辺地村の天満宮の勧請年月は不詳である。明治初期の社寺明細帳によると、当村の産神で菅浦倶衛が兼務していた。本殿は三尺四面の板葺、拝殿は二間半に四間の萱葺、社地は五間四方で県庁まで十五里十五丁と書かれている。同境内地に部落から一キロ離れた田地の中にあった馬頭観音堂を参詣に不便であるという理由で天満宮境内に移した。】とあります。

 さらに、観音堂については、
【本村には木造の観音菩薩像が安置されて、その背に金属製の観音像を負わせて祀り、氏神として崇拝して来たが、元禄年間に盗難に遭い行方不明となり、現在下北郡に移祀されているという。その後、宝永二年八月、石造の馬頭観音像を祀り、部落の平和と国家の安泰を祈り氏神として永い間部落民が崇拝し参詣して来たが、明治六年神仏合祀が許されず、この地に天満宮を建立するに至り本尊像もまた移転の声が高まり・・・。】と書かれていますが、本尊の観音様が現在地に奉遷されるまでは紆余曲折があったようです。
 ※【】は、蓬田村HP「村のあらまし」からの抜粋・要約です。

◇観音堂




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 ところで、瀬辺地は、蓬田村の中で最も早くから開けた集落であるといわれています・
 天満宮の境内を含む舌状台地は、通称「ナガレ」と呼ばれており、一帯からは、縄文時代の早期から中期の石器や土器などが多数見つかっていて「瀬辺地遺跡」となっています。
 また、集落からは「チャシ(※主に近世にアイヌが築造した高い場所に築かれ、壕や崖などで周囲と切り離された施設)」と呼ばれる住居址なども見つかっているようです。

「瀬辺地(せへじ)」という少し珍しい地名については、アイヌ語の「セベチ(広い川の意)」からきたとされていますが、集落を流れる瀬辺地川は、昔は、かなり広い川だったのでしょう。
 また、【体力の逞しい「セヘ」と呼ばれた人が首長としてこの地を統帥し、農業もこの頃から始められたという。延暦二十年(一千六百年)位前、坂上田村麿が蝦夷征伐の際「セヘ」は滅びたが、この時から「セヘ」の住む地として瀬辺地と名づけられたという。※観音堂奉遷記念碑碑文より】という所伝も残っています。

 いずれにしても、太古の昔から集落が形成され、人々は海を越え、下北半島や北海道へ渡り、交流・交易などを行っていたのでしょう。

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