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Category: ふるさと【東北・青森】 > 青森市   Tags: つがるみち  巨石と神石  

貝倉神社 - つがるみち428




 青森市奥内に「貝倉神社」という、少し変わった名前の神社があるということで訪ねてみることにしました。
 ネットで地図を見て探しながら行きましたが、国道280号線の旧道沿い、奥内郵便局の近くに貝倉神社という標識が立っていたので止まってみましたが、民家のような建物があるだけでした。どうやらここは社務所のようです。
 



 社殿は山の中にあるということなので、バイパスの方へ進み、奥内川の橋を渡って左折し、山側へと向かいます。そこから新幹線の高架橋を越えると、あとはじゃり道。ひたすら進んで行くと「奥内豊源井堰竣工記念碑」という石碑がある所へと出ます。そこを過ぎると「貝倉神社→」という小さな案内板が立っていますが、そこから林の中へ。辺りは奥内国有林になっていて、先が分からず不安でしたが、やがて小さな川のそばに赤い鳥居と社号標が立っているのが見えたのでひと安心。ほんとに「山の中」に鎮座している社です。
 こんな山中なのに「貝」という海(水)を連想させる神社名というのも不思議ですが、参道の途中には、小舟が置かれていたりします。太古の時代には、海岸線が、この近くまで迫っていたのでしょうか。大きな湖沼があった所なのかも知れません。




 小川の橋を渡って鳥居をくぐり、参道を歩いて行くと、左右に建物が見えてきます。右側の大きな建物は「白龍殿」でした。その中に入ると、中央の祭壇には、数多くの神様が祀られています。
 この神社は、その草創については不詳ながらも、御祭神は、七福神・恵比寿神・大黒天神・毘沙門天神・弁財天神・福禄寿神・寿老人神・布袋尊神となっていて、他にもオシラ様や淡島神も祀られているようです。

 白龍殿の中にも「貝倉丸」と書かれた小舟が置かれていたりしますが、同じく貝倉丸と書かれた帆には、大きな龍が描かれていました。龍の絵は、他にも天井や壁に掲げられていたり、境内には龍神を祀った祠などもあり、水神を崇める信仰が伝わってくる社です。
 壁に「貝倉明神と龍」という絵が掲げられていましたが、これはねぶたの絵だということです。絵は、貝倉明神と大きな龍が戦っている姿を描いたものですが、これは(両者の戦いは)、「奥内伝説」として語られているとのことです。どんな話なのでしょうか。十和田湖に伝わる南祖坊と八郎太郎の話と似たようなものなのかも知れません。

 白龍殿の向かい側の少し高い丘の上に本殿があります。小さな狭い社殿ですが、真ん中の祭壇には、貝殻が敷き詰められ、中央には、大きな石が佇立していました。

◇白龍殿、本殿










「大きな石」と書きましたが、実はこれは貝の化石塊で、この神社の御神体になっています。
 この御神体については、
【青森市奥内西方約4キロメートル、奥内川中流域の山中にひっそりとたたずむように貝倉(かいくら)神社がある。この社(やしろ)は、山の斜面に突出している貝の化石が集まってできた幅約1.5メートル、高さ約2.5メートルの大きな団塊の御神体を覆うように形づくられている。その御神体は、大昔に海底の凹部に貝殻が運ばれ堆積し、それが石灰分などで固まり塊状となったものである。
 このような御神体は、全国的に見ても非常に珍しい。含まれている化石はエゾタマキガイが大半であるが、神社脇の地層にはホタテガイ、コシバニシキなどの化石も見られる。神社がある一帯を含めた津軽山地の東麓には、大釈迦層(北方では蟹田層と呼称)と呼ばれている砂岩を主体とした地層が分布している。この地層は、北方は今別町、南方は浪岡町まで連続的に分布しており、貝化石が所々に含まれる。特に、浪岡町との境界大釈迦付近からは、60種の貝化石が産出しており、貝化石を含む地層として、古くから全国的に知られている。貝倉神社のほか、六枚橋川林道、内眞部川(眺望山ビジターセンター付近)、飛鳥沢中流などでも化石を見ることができる。
 産出している化石の種類から当時の環境を推定すると、海棲の貝化石が産することから海底であったことはもちろん、砂地で浅海、さらに暖流の影響がある寒流域であったと思われる。また、新生代第4期更新世(170万年~1万年前)初期の堆積であると考えられている。※HP「あおもり今・昔」より】と紹介されています。

 太古からの時の流れを感じさせる不思議な神社です。

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Comment
 
こんなご神体があることを初めて知りました。
機会があれば、ぜひ行ってみたいです。

貴重な情報ありがとうございました。
 
なかなか不思議な神社ですね。行くのが大変そうですね。

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 あっという間に師走になりました。ゆっくりペースで神社・史跡めぐりを続けたいと思います。拙い記事ばかりですが、読んでいただければ幸いです。ごゆっくりどうぞ!
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